第五講 ~祖脈診と背部刺鍼~

こんにちは、部会長の月森です。

山陰部会 二期目の第五講となる先週のテーマ【祖脈診と背部刺鍼】。


今年の会の方針である内容(カリキュラム)のすべてを終える講義。

《診察→診断(証決定)→治療》

この一連の流れを、一つずつ学ぶ内容で、治療まで行いました。


これは夏に開催される夏期大学普通科の内容を、大まかに実践しています。初学者でも、ベテラン先生でも皆さんが一度基礎に戻れるこの内容。


経絡治療は、やり方ではなく、《在り方》が大切だとと常々伝えています。

この考え方を軸として山陰部会は進めています。


1、仕事を通して達成したいことは何ですか?

2、復習(経絡治療の考え方・陰陽五行・本治法・病気のメカニズム・六部定位脈診)

3、六祖脈とは

4、六祖脈(虚実・遅数・浮沈)をそれぞれ反復練習。

5、背部兪穴、背部の反応を確認。

6、背部兪穴刺鍼


このような流れの元、講義は進めていきました。


この問いに関して、言語化して応えられる人は中々少ないでしょう。

受講生の皆さんにも2分間時間を設けて、直感で考えてもらいました。


それぞれ、この問いに対しての答えは違うのが当然です。お仕事(鍼灸を生業)をしていく皆さんだからこそ、この問いに対して真剣に向き合ってもらいたいんです。



冒頭から経絡治療は《在り方》とお伝えしていますが、つまり、人の生き様・生き方がそこに反映してきます。

僕たちが仕事をして何を達成していきたいのか?

私(ツキモリ)の達成したいことを含めて説明していきました。



病気にメカニズムと、外因、内因、不内外因が体にもたらす影響について、下記の図を参照にし説明していきました。復習を兼ねて、東洋医学の考え方(陰陽・五行)や本治法を含めて講義を進めます。

子どもが遊んでいる光景ですが

自然界からもたらされるストレス(邪気)を外因とし、遊び疲れたり、今朝食べ過ぎていたりするストレスを不内外因として説明します。

内因としては、それぞれの子どもはみんな楽しい訳でもなく、ボールがとれない苛立ちや、何で自分は、、という悲観的な感情を持つ子どもいるはずです。それが感情の変動であり、精気の虚に繋がってきたりというお話を、大きく、広い視点で捉えていきました。


今回の講義のメイン「祖脈診」の内容です。

上記のスライドから、順にいくと、祖脈診とは脈状をおおまかに6種類に分けて診る方法です。

その脈の変化が、体の生理状態を表しおおまかな状態をくみ取ることに繋がります。


その得られた生理状態から、どのような鍼灸の流れが適切なのか、鍼の刺激量は?灸の壮数は?浅く刺すのか、深く刺すのか。

鍼灸の流れを決める事ができます。

この脈を診れるように、脈のとり方を一人一人丁寧に確認し、また周りの人と脈を取り会い実践していく内容になりました。



次に背部の診察へとはいります。

背部の反応を確認していきます。モデルの方の背面を診察。

そこにどんな反応があり、どのように感じていくのか。


例えば肩背部に虚している反応があるのか?ざらつきがあるのか?湿気ているのか?


腰部(腎兪)に硬結があるのか?腰部に毛があったり、押さえると虚しているところがあるのか?


背部兪穴にどんな反応があるのか?それが虚しているのか、実しているのか?


そして、

祖脈診を理解すれば、その反応に対してどういう鍼灸補瀉を加えていくのかを考えていきました。

鍼の太さは?鍼の置く時間は?単刺ならどんな手技なのか?

お灸は台座灸なのか?透熱灸なのか?


そういう内容を受講生でシェアして、学んでいきます。

これで、実践できるように初学者とベテラン先生と分けて、実技。



皆さん、これで良いのか?

自身の診察はどうなのか?脈の感じはどうなのか?


こんな流れで進めていきます。

こうすると、皆さん、自分で出来ていく第一歩にもなりますし、明日からすぐに臨床に落とし込める内容になっています。


こういう講座レポートを書いていくと、やっぱり楽しかったと思えるんですよね!


経絡治療って、体の診方や物事の考え方がほんとに変化していく学術なんですね。これを参加された先生方と共に時間を共有できる事がとても嬉しいです!


山陰部会では上記のような講義形式で進めています。

経絡治療をもっとシンプルに、もっと分かりやすく、そして受講生の先生方の臨床のためになり、その先の悩める患者さんの笑顔のために。


次回は、3月10日㈰ 米子市公開堂にて行います。

テーマは「診察から証決定・治療まで」で進ます。


部会長 月森慎也


※前回の研修会内容です。是非、ご覧ください!

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