3月10日(日)米子市公会堂にて、第六講を行いました。
今回は、総まとめの内容です。
今まで講義で学んできた内容を、一つずつ確認して、治療まで繋げていきます。
経絡治療を学んでいくと、「証を決めるまでが難しい。」と受講者は悩みます。
ある人の診断が、肝虚証。でも違う人の見解は腎虚証。
ここで迷ってしまいますよね。
証まで導くためにどういう診察所見から、どうまとめていくのかを、ワークを通して実践していきました。その内容をここでアップしていきます。
今年度の方針の通り、上記の内容で進めていきました。
1、どんな治療法、やり方でも、全体の流れがわかっていなかったら、どこへ向かって進めていけば良いか戸惑うもの。経絡治療の全体の流れを大まかに理解していくことを第一にお伝えしました。
2、経絡治療の軸となる考え方、陰陽論・五行論を「ものの考え方、視点の違い」として捉えていきます。それが【在り方】へと繋がり、鍼灸の臨床にどう影響してくるのかを学んできました。
3、痛みのない鍼の打ち方、やさしい鍼の打ち方をマスターするために。
患者さんに安心感を、そして鍼灸師として当たり前の技術を習得するために実践です。
4、基本四証をベースとして、本治法に使う経穴を詳細に説明し、すぐにでも実践できる本治法をお伝えしました。明日からでき臨床にすぐに用いることが出来ます。
5、経絡治療では脈診という診断方法を特に大事にしています。脈を取ることで患者さんとの距離を縮め、信頼関係をつなぐ術として。そして体の生理反応を分析し、気血津液がどうなっているのかという病態把握につながります。
この5項目の内容を総まとめで、一年間講義を進めていきました。
総まとめの実技に向かう前に、東洋医学的な診察(四診法)について。
上記の内容が主ですが、望・聞・問・切(ぼう・ぶん・もん・せつ)という四つの診察方法を用いて進めていきます。これは東洋医学的な言い方、表現の仕方をしていますが、とても分かりやすい。
漢字の意味から考えていくと、その診察が意味する内容が分かってきます。
経絡治療を学んでいくと、必ずと言っていい程、ここで皆さん壁が出来ます。
「証」の決定、証への落とし込みです。
現代医学的に言うと、診断するということ。
経絡治療では、証という診断名を用いて、その疾病がどういう状態になっているのかを決定していきます。
基本は4つに分けて【肝虚証、脾虚証、肺虚証、腎虚証】という証があります。
山陰部会ではこの4つに分けることから、始めています。
患者さんを診察して、色んな所見が出てきます。
その所見から、総合的に判断して、どの証に導くかが難しいと言われているのですね。
必ず答えがある!とは、言っていません。
それは施術者によって、方向性や診る角度視点、手でキャッチする物差しが違うから。
ある人は、肝虚証で決めたとしても、
あの人は、腎虚証で決めている。そんなことも多くある訳です。
また、
今日は肝虚証で治療していた患者さんも、日が違い体の状況が変化すれば、腎虚証に決定することもある訳です。
そこが難しく、また東洋医学の面白いところです。
次に患者モデルを用いて、診察から証の決定までを、詳しく実技でシェアしていきます。
このように診察を進めていくと、証の決定、どんな方針で進めていくのかがハッキリしてきます。
あなたならどういう流れで鍼灸を進めていきますか?
どんな経穴を使って、治療を進めていきますか?
ご自身で考えて、証を導くということが大切なんです!
この証決定までの成功体験の積み重ねが、臨床の場で役に立ち、自信にもつながります。
どのようにその証に導けたのかを、発表するワークを行いました。
【まとめ】
今回は、経絡治療の基礎講義の総まとめの内容でした。
昨年から来られている受講生もおられ、年々実力も話す内容も経験に富む内容ばかり。
今年から入会した受講生も、眼の輝きをキラキラさせて受講して下さっています。
ここで学んだことを、患者さんに施術として届け、皆さんの健康や笑顔につながる。
とってもいい流れじゃないですか。
脈の取り方一つにしろ、どんどん上達しています。
鍼の打ち方も、やさしく、丁寧に打つことも出来ています。
そんな姿をみるとですね。
この部会を設立して、こんなにも受講生の先生方に恵まれて、学べる環境があり成長していける場所があることに、嬉しくて嬉しくて。
ここ、山陰でですよ。
勉強するためには、大阪、京都、東京、名古屋まで行かないといけない。
でも、山陰にあるんです。
いつも研修会を終えたあとは、完全燃焼ですがすがしく爽快な気分なんです。
これからも、経絡治療の学びを皆さんと深めていきたいと思います。
※3月23日~24日 経絡治療学会学術大会 広島大会があります。
また、4月29日(祝日・㈪)に山陰部会研修会があります。詳細はFBページにてお知らせします。
月森
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