日本鍼灸の教科書「経絡治療の定義」を見返してみる

山陰でも冬に向かって、気温もグンと下がってきている今日。

日々の臨床の中で、振り返る事がよくあるのですが、先日講義でもお伝えした内容。

「経絡治療の定義」について、考えを馳せました。


経絡治療とは、

すべての疾病を経絡の虚実状態として把握する。(診断) 


例に言えば、

・膝の内側の痛みでも、経絡の虚実状態として捉える。
 ⇒膝の内側には、陰谷穴(腎経)・曲泉穴(肝経)・陰陵泉穴(脾経)の陰経が走行しています。
  この三つの陰経のどこかに虚実が存在して、病となり、痛みに変化しているもの。
 ⇒それが虚なのか、実なのか。それを四診法で診ていく訳です。

   

すべての疾患、病を、経絡の虚実として捉えるという観点。

そのことについて、臨床を通して考えていました。



虚と実を考えてみると、

陰と陽とにも捉える事ができます。


経絡が陰が陽かどちらかに偏り、その偏りそのものが病につながる要素になり得ること。

その患者さんが陰と陽とどちらかに偏っていること。それが経絡にまで反映していっていること。


この虚実の意味合いも、角度が違えば、さまざまな見解や考え方が生まれます。


単に、経絡を「虚す」「実す」だけでみるのではなく

人の体を大きい範囲で診ていくのか

個々の患部だけを診ていくのか

季節やその人の置かれている環境で診ていくのか



経絡の流れを意識した、診察や施術を行っているからこそ

このような視点が持てて、臨床が充実していくのではないかと感じます。


また患者さんに経絡治療のことを説明しようとするとき

簡単でシンプルに説明できるのではないかと思い、考えを巡らせました。


受講生の方々とまた、シェアしたい内容です!


部会長 月森


【お知らせ】

11月11日㈰ 学会会長 岡田明三先生が山陰に来られます。

経絡治療の魅力を存分にお話を聞くチャンスです!ぜひ、ご参加ください!


0コメント

  • 1000 / 1000