米子の空は快晴で清々しい一日になりました。まさに研修会日和。今日のテーマは【四虚証という考え方】【病理と脈状②】です。
今回の大切なところをピックアップして、記事を載せていきます。
【午前一講義目】四虚証という考え方
陰陽五行という考え方やコンセプトを軸に置く経絡治療だからこそ、考えうる視点です。
世の中にはたくさんの疾病があり、身体症状や体からのサインとして出てきます。
それらを一括りにしたものを、四つのものに分解して「証」としたものを四虚証とした考え方。こうするとどんな病気、疾病でも東洋医学的に、経絡治療的にアプローチが出来ます。
東洋医学では気・血・津液が絶え間なく全身を巡っています。
それらが、停滞し、巡らなくなることで症状がでてくると考えます。
気虚・気鬱・気滞・血虚・血滞・瘀血、こういった呼び名ってすべてが「巡りが悪い・過不足」を表す言葉なんですね。そのパターンで四つに分類したものを四虚証と言います。
次に、体を五つに分類して考えます。
五つの機能があり、それが【肝心脾肺腎】という五臓に分けられます。その一つが力が弱い、機能が正常ではないという考えで疾病となり得ます。
四虚証ってどんな考えのもと、みなさんは使われているのか再度確認ができますね!?
普段、僕たちは当たり前に四虚証を、肝虚証だ、脾虚証だ、それならこの経穴を使ってアプローチしよう。
四虚証を説明し、理解を深めたあとに、治療法となる本治法の説明です。
本治法は手足の末端の五要穴に対して補瀉を行います。なぜその経穴を刺激することで、五臓の各所まで繋がっていくの?という話です。
経穴から経絡へ。
経絡から各五臓へ。
五臓は体を五つに分類した一つ。
だから、一つの経穴だけでここまでアプローチできてしまう。
そう考えると、臨床の奥行きも広がるし、応用も効いていきますよね。
四虚証が理解できてくると受講生の皆さんも、さらに分類した八虚証という考え方も学びたくなるもの。そこで、こういった4つを8つに分けようとしたときに、どうやったら分けれるのか??を考えてみてもらいました。
八虚証に分けていく。ではなく、4つをより理解していくために8つに分けて考える方法はないか?という視点のもと、僕たちの頭の中で考えることをします。(考えたことありますか?)
肺虚証を例に出すと、
熱が多くなる証
寒が多くなる証
そう分類したわけですね。
この上図で示しているのが、肺虚熱証と肺虚寒証は完全に分類できなくて、重なっている部分があり、グラデーションのように境目がないことを意味しています。
これを四診の中で冷えているのか、温かいのか。虚しているのか実しているのか。脈はどうか、お腹はどうか、声の張りはどうか、元気があるのかどうか。そんな所見を照らし合わせて、このグラデーションの中のどの位置に今の体の状態が来ているのかで、証が決定し治療法も決まります。
そのような考えを持つと、臨機応変に経穴も変えられるし、お灸の選択も変えられます。臨床にしっかり落とし込むと証の決定に迷わなく、その患者さんに応じた鍼灸をご提案できていくと考えます。
この話を講義の中でみなさんと考え、ご自身の鍼灸に役に立つ視点を身につけて欲しいと思います。
【午前二講義目】病理と脈状②
病理と脈状の講義です。
担当は福田先生です。脈を診ることで何がわかって来るのか?
六祖脈から、脈状をみることで気血津液の過不足を、脈の状態で診断していきます。
脈状をみていくと何が見えてくるのか。
講義の中では、臨床で出くわす様々な脈とともに説明をしました。もう少しスライドもありますが、ここまでとしておきます。
午後の実技風景
鍼灸師は脈をとることを、積極的にして欲しいと私も感じています。現に、今年度から入会された受講生も脈をおおまかにわかるようになり、臨床に取り入れて結果に結び付けています。わずか5回の講義で経絡治療を自分のスタイルに落とし込みトライされています。
スポーツ選手をよくみる受講生から、今まで筋肉にアプローチしていたけど経絡の調整でもっと良い施術が可能となったと喜びの声も聞かれました。
次回の講義は4月!聴講も可能ですのでご参加ください。
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