第四講レポート〜基本四証と脈の変化〜

先日行われた研修会のレポートです!
今回は部会長月森の講義でしたので、講義内容をお伝えしていきます。



経絡治療学会の研修会ってどんな事するの?
どんな考え方で鍼灸に取り組んでいるの?
どんな空気感で、何につながるの?

経絡治療をハードルが高い、よく分からないという先生方に、少しでも分かりやすくご紹介できたらと思います。

下記レポートを書いていきます。↓


鍼灸は、目の前の患者さんの問題の解決の一つの手段ですよ!というお話。


今、世の中のニーズが多様化し求められることも増えてきています。


体を治したい。痛みを取りたい。

痩せたい。きれいになりたい。

病気を予防したい。

この先生の治療を受けてみたい。


そのニーズは日々変化しています。


患者さんも一つのお悩みが解決するとまた違うお悩みが出てきます。それに対応していく能力が必要であり、一つの問題を解決するだけでない鍼灸の提案が必要です。



経絡治療には定義があります。
「すべての疾病を経絡の虚実状態として把握し、それを主に鍼灸を用いて補瀉し治癒に導く伝統医術である。」
これが軸にあり、これを深く考えていくと色々と見えてきます。

今回の講義では、この条文を陰陽論と五行論とで考えていくというお話を進めます。


陰陽論とは

すべての万物、事象を2つに分けて捉えること。
その分けたものはただ2つに分けるだけでなく、常に変化していくものである。

これを人体という1つの個体から、経脈、経穴へとつなげて考えてみよう!と、皆さんで頭を使ってみました。

当たり前に鍼を刺していますが、
どう体の中の働きと経穴とが繋がっているのかを図で理解。


五行論とは

すべての万物、事象を5つに分けて捉えていくこと。
そう、すべてです。
町の造り方(京都の街並み)、方角(東西南北)、季節(春夏秋冬)、そして人の体も。

昔の古代中国人は、人の体の機能や働きを5つに分けて捉えようとしたのです。


5つに分けようとし、それを肝心脾肺腎とした訳です。
それが経脈に分かれ、十二経脈の流れになり経穴まで繋がります。

私たちが鍼を打っている経穴は、体の中にこういう考えの元、作用しているんですね。

経絡治療の病気のメカニズム

経絡治療では、精気の虚がまず第一にあり、病気が発生します。精気の虚に、病因(ストレスや自然の変化、)が加わり、色々な体の変化がおこり、病気になるメカニズムです。

本治法と標治法

この2つの治療方法で病気を治していきます。
本治法は、精気の虚を補う方法であり、手の五要穴に補瀉をし体を変化させていきます。
補助として、募穴、背部兪穴を用いていきます。

標治法は、主に主訴に対して局所に補瀉をしていきます。


本治法は、

古典難経六九難を用いた選穴が基本で進めていきます。
その詳しい内容を図を見ながら説明します。これは教科書に載っている内容を分かりやすく説明していきます。
五行の相生関係、
木→火→土→金→水の関係性を元に話をしていきます。

肝虚の場合を例に上げます。

「虚すれば、その母を補う。」

木の母は、水であり、水を補う。
肝経の母は、腎経であり、腎経を補う。

「実すれば、その子を瀉す。」

木の子は、火であり、火を瀉す。
肝経の子は、心経であり、心経を瀉す。

この六九難を治療の軸に置きます。

これを五行すべてに当てはめて考えると、経穴が導き出されます。
基本的には補うということを中心に行うのが、経絡治療の特徴です。
上記の経穴の場所を適確に取れるように、確認をしていきました。

「陰谷ってこんなに膝裏にあるんですね?」
「ツボの位置が分かりました。」
「ツボの反応がこんな反応なんだ!?」


こんな声を聞くことが出来ました。
分かっていたようで、実は違っていることってありますよね。

六部定位脈診の座学と取り方

六部定位の脈診で、何が分かるのか?

手の当て方や、指の角度、指の置き方、沈め方。
体の向きや立ち位置、臨床的な考え方、そんな内容を座学と実技でお伝えしました。

六部定位脈診と問診で[証]を決定し、本治法(六九難)の選穴で補瀉をしてみよう!

と言うことで、4〜5人一組班分けをして実践!!

鍼をした後で、脈がどう変化したのか?
また体の変化が出るのか出ないのか?

それを皆さんで確認してシェアしました。
写真でも分かるように皆さん、真剣に取り組まれ楽しい雰囲気で時間を過ごせました!

2018年最後の講義を終え、2019年はさらに経絡治療を学び、臨床の場に活かしていける研修会にしていきます!

今後も山陰の先生方に、全国の先生方に経絡治療の魅力を発信していきたいと思います。

月森

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