初年度の最終講 第九回目となる研修会を開催しました。
関西支部から中根一先生をお迎えしての講義実演。
「経絡治療で”開業する”ということ」と題してお話されました。
山陰部会の会員の先生は皆さん、開業されている先生ばかりで今回のテーマはとても参考になったのではないでしょうか。
中根先生は京都の中心地、烏丸という場所で開院されています。人が行きかう都会であり、伝統の都である京都ならではの文化も見える街です。
山陰とは文化も生活スタイルも、人の多さも違う場所でいかにとい経絡治療で患者さんのお悩みを解消しているのか、とても気になりますね。
アンケート用紙に記入してQ&A
- あなた先生方は、何者ですか?
鍼灸師・整体師・治療家・セラピスト・その他
この質問で出てくること。
鍼灸師は、自分を鍼灸師!!という人はとても少ない。
私たちが鍼灸師と名乗って活動することの意味を語って下さいました。
- 経絡治療ってなに?
という、質問をみんなで考えシェア。
経絡治療を一言で表したり、一般の方にすぐに言い表すのって難しいですよね?
つぎに
治る
この漢字はどう読みますか?
なおる:
おさまる:
ある一定の範囲の中で落ち着き、おさまる意味。
これは、
陰陽の消長でいう陰と陽とが変化し続けている状態であり、過多・過少にならない状態。
別の言い方でいうと中庸という言葉。「ほどほど」という意味合いです。
この一つの漢字【治る】には、二つの意味があり、到達点が違うということ。
この到達点が違うと、施術でのゴール設定が違ってきます。
患者の本当の悩みを明確にする必要があります。
本当に症状の緩和だけで鍼灸を受けに来てくださっているのだろうか?
本当はその他のことがあるのではないか?
介入=コミュニケーション
どこまでその患者さんに介入していくのか。
介入とはコミュニケーションであり、関わり合う物事同士が変化していく事。
鍼の本数、手の添え方、診察の仕方、顔の表情や、一つのうなづき、眼の開け方、眼の合わせ方、手の触れ方、言葉の掛け方、音楽の大きさ、ベッドの柔らかさ、タオルのふわふわさ、お見送りのタイミング、お茶出しのタイミングetc。。
これ全てが患者と施術者とのコミュニケーションです。
人によってどこまで介入していき、絶妙な《ちょうどいい》が会話となり相手と共鳴します。
そんな臨床でのことを淡々とお話下さいました。
そのあと、会員の開業してからのお悩みを相談。
これは本当にリアルです。
開業して悩みは尽きないもの。
実のところの私(ツキモリ)も悩みも絶えません。
患者が多くなると経済的にはいい。でも体力的に何年も続けていけない。
だから効率的な鍼灸をもっとしていきたい。
そんなお悩みです。少しずつヒアリングしていき、回答してもらいました。
課題をハッキリすること。
動機と目的をハッキリすること。
経営の悩みか、体力的な悩みかをハッキリすること。
何に対しても明確にハッキリとさせておくことが大切だよ。と力強くお答え頂きました。
経絡治療をする目的を明確にして、時間設定・空間を演出していくこと大事。
自分の行いたい鍼灸があるなら、ハッキリなにが目的なのかを明確にしておく必要がある。
経絡治療とは、
方法ではなく《概念》《物の考え方》であり
治療方法を呈してはいない。
経絡(ツボ)に落とし込んで体を変化させること。
生活指導や食事の食べ方など、養生で体を変化させることも同等だよね。と。
理論はシンプルに。
一つ一つの言葉、使う漢字
一つ一つの手技、ツボの選穴
一つ一つの治療方針や未来設定
そのすべてが何を目的にして、どこに向かっている(到着点)かを明確にする。
ほんとにキレキレな講義内容で、10年以上講義をそばで見てきましたが、一字一句見逃さない内容でした!
お昼からは、脈についてレクチャーがあり、鍼の実技と流れをみんなにシェア。
会員の皆さんも楽しく、熱く学んだ一日になったのではないでしょうか。
※経絡治療学会 山陰部会 修了証の授与式
来期は9月からです。
来期の詳細については、再度ブログおよびフェイスブックにて投稿しますのでご覧下さい。
山陰部会 月森
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